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世界の絵本を販売するインターネット古書店パビリオンブックスは、ただいまGallery OUT of PLACEとなりの古い家屋を改装作業中。完成すれば絵本の販売と喫茶営業を行う素敵なお店が誕生します!
リアルタイムで改築が進む手作りショップからお届けするパビリオン隊長による連載コラム、今回はいよいよ運命の出会いを果たします。いったいどんな物件が!?


4.「歪んでるもんですよ、みんな」
窓から射し込む光に、瞬間これだ!と心が動きました。
それはある冬の昼下がり、知人の紹介で案内された古い長屋でのこと。薄暗い室内にはまだ人が住んでいそうなほど普通に家財道具があって、窓から射すぼんやりした明かりがそれらを縁取っていました。南側に面した、今では珍しい模様入りのガラス窓。
そこに佇んだ途端、ここがお店になったら…という立体的な映像が湧いてきたのです。
それは今までたくさんの物件を見てきた中で、初めての感覚でした。
少し冷静になって考えます、と紹介者に伝え一応その日は帰ったものの、後から考えればあのとき気持ちは既にかなり走り始めていました。車が入れないのはもちろん、そこに何があるのか知っている人でなければ決して入っては来ないような、細い細い路地裏のさらに奥…。お店の場所にしてはあまりというかまったく不適にも思われるのですが、不思議に居心地の良さを覚えたのです。一日中屋内にいるのが苦手でいつも出歩いてばかりいるぼくにとって、外を感じさせる光や音は何にも増して重要な要素。その点この長屋は路地裏ながら光に恵まれ、また繁華街から少し入っただけなのにとても静かでした。いや、正確には隣家の庭木や鉢植えに集まる鳥たちのおかげで相当に賑やかでしたが、もちろんそれは大歓迎です。
マイナス面もあるけれど、それを覆うプラス面の多さでこの古家には代え難い魅力がありました。ただ、それでも交渉を進める前にどうしても確かめておかなければならないことがあります。平たく言うと「この家は大丈夫なのか?」ということです。素人は家を雰囲気で見てしまいます。それに気持ちがワーッと盛り上がっていると、欠点は見えにくくなるもの。そこで知り合いの建築家に頼んで、おおまかにでも物件を見てもらうことにしました。

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忙しい建築家は、それでもなんとか夕暮れに間に合うようにと寒空の下をやって来てくれました。着くなりさっそく、携帯電話の明かりを頼りに縁側の下を点検し始めます。なるほど目の付けどころがちがう!自分でも後になって嫌というほど思い知ることになるのですが、床下つまり地面からやってくる湿気は家の大敵。屋根などとちがい傷みを発見しにくいため致命傷になることも多いのです。続いて主要な柱を押してみたり、叩いてみたり。「わりとしっかりしてるね」。ぼくはその言葉にひとしきりホッとしつつ、気になっていたことを聞いてみました。「だいぶ傾いてませんか?ほら、柱がなんとなくまっすぐじゃないし…、こっちの襖は動かないし」。すると彼は事も無げに言いました。「古い家はみーんな、大なり小なり傾いてるもんよ。軸組といって柱をホゾ等で組む構造なので、傾いたり捻れたりすることで接合部が却って強くなる場合もある。全体に歪みつつ安定してるわけ」日も暮れぐっと冷え込む中、彼を駅まで送る道でいろいろと有意義なアドバイスや後押しももらって、ぼくらの気持ちは益々高まりました。「子供たちにクリスマス・プレゼントを買って帰らなきゃ」と笑い、彼はまた風のように帰って行きました。
(パビリオン隊長)

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