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世界の絵本を販売するインターネット古書店パビリオンブックスは、ただいまGallery OUT of PLACEとなりの古い家屋を改装作業中。完成すれば絵本の販売と喫茶営業を行う素敵なお店が誕生します!
マイペースながら着実に歩みを進めるパビリオン隊長のDIY改築工事。作業を通じて得たさまざまな発見をわたしたちに伝えてくれる現場リポートコラムの第16回目は、世に溢れかえる「無難」に隊長、もの申す!?
やっぱつまんないですよねえ、中庸って。


16.「グレーゾーン心理」
我が古家には屋上テラスがあります。
と言えばまるで豪邸みたいだけど…。すみません、ただの物干し場です。離れの浴室屋上を簡単に囲っただけの場所ですが、ぼくは来客があればたいていそこもご案内しています。晴れた日にはよく陽が当たって、とても心地良いからです。
ところでその手すりや階段は鉄製で、当初は塗装も斑に剥げ錆だらけでした。塗り直しというのは木でも鉄でもなかなか厄介なもので、傷んだ下地の上にそのまま塗るとすぐにまた剥がれてきてしまいます。そこで古い塗膜を剥がしたり、錆を除去しなければならないのですが、これがかなりの重労働。入り組んだ箇所を金ブラシでゴシゴシ擦り回していると、これは一体いつ終わるのか…と途方に暮れてしまいます。広い面にはグラインダーという機械が使えますが、これはこれで凄い騒音と粉塵をまき散らすので、便利なばかりでもありません。結局下地の準備だけで3日もかかってしまいました。
それにしても、鉄柵の塗り直しに際して深く考えさせられたことがあります。それは元々塗られていた色のこと。何と呼べばいいんでしょう、実によく見かけるありふれた色なんですが、明瞭にそれを指す名前が思い当たりません。茶色でもない、小豆色と紫色と灰色を混ぜ合わせたような…。昔絵の具をいろいろに混ぜ過ぎて、結局使い物にならない色が出来てしまった、そんな雰囲気の色です。
最近では少しずつ減ってきているようにも思いますが、今でも例えば公園の鉄柵なんかにはよく見かけます。色の好みは人それぞれなのであくまでも個人的な感覚ではありますが、この実に何色とも呼び難い中庸な色が、ある一時代を象徴するかのように氾濫しているのには首をひねってしまいます。つまり、あんまりいい色じゃないと思うんですよねぇ。
推測ですが、これは一種の疑似色ではと思い至りました。樹木(樹皮)の色に似せてあると見えなくもないからです。元々馴染みのなかった金属材料を木造建築の周辺に使い始めたとき、できるだけ違和感なく溶け込むように作られた色が、この手の色ではなかったかと。ただ、存在感を消そう、無難に目立たないようにしようという消極的な選択が、結果的に妙な違和感となって目立ってしまっているように思えるのです。

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実は自宅の団地でもこういうことがありました。あるとき貸し倉庫の塗り替えが行われ、まずコンクリートの壁面がクリーム色に塗り直されました。続いて別の日には鉄製の扉が朱色に塗られました。それは鮮やかなコントラストで、以前の色が何色だったかをすっかり忘れてしまうほど綺麗に収まった感がありました。ところが更に後日、扉は例の鈍い色に塗られてしまったのです。朱は錆び止めの下塗りでした。そういえば以前もこの色だった…ような。団地の共有物だから、好みが偏る原色などを使うわけにはいかない事情でもあるのでしょうか?
いろいろと推察してみたものの、何故よりによってその色が選ばれたのかは解らずじまい。強いて理由を挙げるなら、結局「無難」という一言に尽きそうです。確かにその倉庫をふだん気に留めることはほとんどありません。でも同時に愛すべき建造物にもなり得ない気がします。それはやっぱりちょっと…残念なことだなぁ。
(パビリオン隊長)

■event info:
ハンガリー絵本原画展 -レイク・カーロイを訪ねて-
at Gallery OUT of PLACE
11月29日(木)〜12月23日(日)
12時〜19時
月〜水曜定休
http://www.naracafe.com/blog/?itemid=449
パビリオンブックス:http://pavilion-b.com/
mail:master@pavilion-b.com


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