??if?ゃ?<?若?吾???泣?????ゃ?????с???障????
世界の絵本を販売するインターネット古書店パビリオンブックスは、ただいまGallery OUT of PLACEとなりの古い家屋を改装作業中。完成すれば絵本の販売と喫茶営業を行う素敵なお店が誕生します!
マイペースながら着実に歩みを進めるパビリオン隊長のDIY改築工事。作業を通じて得たさまざまな発見をわたしたちに伝えてくれる現場リポートコラム第15回目は、家屋にも歴史あり、古家に刻まれた人々の生活の名残りを隊長がじっくり検証します!


15.「How old ?」
ここでは常々「我が古家」と呼んでいる現場の長屋ですが、一体どれくらい古いのか、実は正確には判りません。登記にも築年の記載がないのです。ちなみに最も古い登記簿は、仰々しい筆文字で記された和綴じ本でした。
ただ築年数が判らなくてもさほど困ることはありません。家がどの程度傷んでいるか、どの部分がまだ大丈夫で、どの部分の補修が必要か、そういうことは結局年数ではなく実際に見て確かめないと判断できないからです。
また一見建築当初からの佇まいをそのまま残しているように見えたこの古家も、過去に様々なリフォームを繰り返していることが解体の過程で分かってきました。例えば書斎風の南東角部屋は、屋根や床を剥ぐとそこがかつて厨房だった痕跡が次々と現れてきました。モルタル打ちされた土間、煤で黒くなった壁、釜戸や煙突の跡。それらは明らかに、まだ水道もなく、薪で湯を沸かしていたころの台所を彷佛とさせるものでした。
ほかにも出窓が付けられていた箇所が最初は壁だったらしい痕跡や、逆に後から作られた壁、床の間を改造した証拠など、実に様々な改装跡が見つかりました。昔の軸組構造の家は2×4住宅のような壁構造の建築に比べて、完成した後からでもかなり自由に間取り変更できるのが特徴です。とはいうものの、実際にこれだけ頻繁に改装していたのには驚きました。おそらく住む人の形態により、家族の規模や年齢、生活様式に従って、いわば模様替え感覚で家に手を加えていたのではないでしょうか。この頃までの家づくりは、ひょっとすると今よりもずっと身近だったのかもしれません。
ところで正確な築年数が分からないということは、反面家の年齢を推測する楽しみがあるということです。まるで発掘調査のように、解体の過程で様々な古いものを見つけては楽しんできました。
例えばマイナスネジ。今ではほとんど絶滅してしまった感がありますが、子どもの頃家にあった道具箱にはかならずマイナスネジとプラスネジがあり、ドライバーはもちろんマイナス、プラスが必ず対になっていました。古家では何故か扉の蝶番などにこのマイナスネジが多く使われていたのですが、プラスより力がかかりにくくて外すのに苦労するんです。マイナスの駆逐は必然であると実感させられましたね。

??if?ゃ?<?若?吾???泣?????ゃ?????с???障????
主に離れの厠に使われていた煉瓦も、現在一般的なものより一回り大きく、またひとつひとつに捻れや反りがあって不揃いなのがいかにも前時代的でした。不純物も多く色もまちまちなのですが、それが却って手作りらしい味わいを残しているのです。これらは埋めてしまうのは勿体ないので、考えた末に離れを解体した跡地に敷き詰めてみました。半年後には鮮やかな緑の苔に縁取られて、なかなかいい馴染み具合です。
そして壁の解体箇所からは更に確信的な証拠が発見されました!土壁の下地として貼られていた古新聞から、その日付けが読み取れたのです。黄ばんだカスカスの紙面に小さな旧漢字がビッシリと並び、呼びかけや命令調が連呼される如何にも戦時臭いそれには、「昭和十五年」の文字がハッキリと。このちいさなかわいい古家が、あの戦火をくぐり抜けた生き証人であることを知った瞬間でした。
(パビリオン隊長)

パビリオンブックス:http://pavilion-b.com/
mail:master@pavilion-b.com


関連するかも: