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世界の絵本を販売するインターネット古書店パビリオンブックスは、ただいまGallery OUT of PLACEとなりの古い家屋を改装作業中。完成すれば絵本の販売と喫茶営業を行う素敵なお店が誕生します!
もはや単なる改装工事を越え、作業を通して人と住居の関係をどんどん本質的に解明していくミスターDIY・パビリオン隊長!
今回は石を転がしながら古代人の叡智に驚嘆。歴史教科書もたまには役立ちます。


13.「石を動かしてみた」
わが古家には、文字どおり猫の額ほどの小さな小さな庭があります。もとは離れの便所でした。解体すると見事に日が差し明るくなったので、そのまま空けています。そして縁側には沓脱石がありました。これがまぁ…、小さな長屋にしては立派すぎる大きな石です。どのくらいかというと、大人が一人膝を抱えて横たわっているくらい(?)でしょうか。重さにすると100kg?200kg??ともかく人力で持ち上げるのは至難です。動かさずに済めばそのままでも良かったのですが、下水道工事の際に移動を余儀なくされ、ますます邪魔になったのでどうにか処理する必要に迫られました。水道屋さんは背丈ほどもあるバールを使い、全体重をかけて抉じるようにして動かしました。それでもやっとのことで僅か50cmほど、横へずらせただけです。決して華奢ではない彼は、大汗を流し肩で息をしながら呟きました。「オレも歳とったのかなぁ…」

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その石を、一体どうすれば動かせる?そもそも動かす以前に、最終的にどう処理するかという問題があります。庭石屋さんなら引き取ってくれるかもしれないと考えましたが、什器を入れられない路地裏の宿命で、頼めばとても費用が掛かりそうです。また床下に埋めてしまえないかとも考えました。でも掘った穴まで動かさなければならないのは同じだし、万が一失敗すると取り返しのつかないことにもなりかねません。
そうこうするうちに他の作業も進み、北壁の修復も終え、いよいよこの石を動かさなければ次へ進めない段階にまで来てしまいました。ともかく動かさないことには。まず、駄目と分かっていても人間一度は試してみるものです。地面に膝をつき、その大人ぐらいの石と正面から向き合い、恐る恐る両手を広げ、抱えて…。いや、どう考えても無理です。
60cm程度の小さなバールしか無く半信半疑でしたが、水道屋さんのようにバールで抉じる方法も試してみました。すると意外にも少し浮き上がるではありませんか!テコというのは凄い威力です。もっと太くて長い柄を差し込めば押し動かすことができるかもしれない、そう考えて持ち上げた僅かな隙間に少しずつ板を差し挟んで、徐々に石を地面から浮かせることに成功しました。
そしてそのときパッと閃いたのです。昔教科書で見た挿絵、エジプトのピラミッドを造るために石を運ぶ人たちの…。そうだ、コロだ!一か八か、運良く廃材の中から直径8cmほどの丸柱を見つけ、適当な長さに切ると3本のコロが出来ました。それを浮いた石の下に差し込み、慎重に支えの板を抜くと…。オオオ!!思わず、感動の雄叫び。それまでビクともしなかった巨石が、ほとんど抵抗なくスーッと滑ったのです。石が動く、たったそれだけのことですが、それは全身に勝利と歓喜の熱狂が駆け巡った瞬間でした。
こうして沓踏石は、邪魔にならない庭隅の影に無事収まりました。記念のコロも、まだ捨てずに取ってあります。それにしても凄いのは古代人の知恵ですよ!テコとコロの原理は間違いなく史上大発明ベスト10に入るだろうと確信する今日この頃なのであります。
(パビリオン隊長)

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